この記事ではまず 5W1H について解説し、その後にノートなどの文書において「各項目を見出しに割り当てるとどうなるか」を例示していきます。
目次
5W1Hとは
5W1H とは、物事を整理・説明・検討する際に用いられるフレームワークで、
以下の6つの視点から情報をまとめる(または読み取る)手法です。
| 種類 | 説明 | 見出し例 |
|---|---|---|
| Who(誰が) | 取り扱う情報に関わる人物や組織は誰か | 関係者・主体 |
| What(何を) | 実際に取り組むことや説明対象となるものは何か | 対象・内容 |
| When(いつ) | 実施の時期や発生するタイミングはいつか | 時期・タイミング |
| Where(どこで) | 活動や出来事が起こる場所、または環境はどこか | 場所・環境 |
| Why(なぜ) | その取り組みや説明の理由、必要性は何か | 目的・背景 |
| How(どのように) | 具体的な進め方、手法、実現手段はどうするのか | 方法・手段 |
文章作成・企画立案・問題解決など幅広い場面で活用でき、抜け漏れなく情報を整理(または理解)するのに役立ちます。
ノート(説明文書)では
「5W1H」を説明文書に適用した場合、見出し構成は次のように整理できます。
- Who : 文書の「対象読者」
- What : 取り扱う主題の「概要」
- When:いつ使う情報か
- Where:情報を取り扱う環境≒「前提となる条件」
- Why:なぜ、その情報が必要か
- How:具体的な手順や活用方法
例えば以下のような形式になります。
# タイトル(When)
この文書でわかること(Who)
## 前提条件(Where)
## 概要(What)
## 目的(Why)
## 手順(How)テンプレートまとめ
5W1H文書テンプレート(Markdown)
# タイトル
## 1. 関係者・主体(Who)
- 誰が関わるのか
- 主体となる人物・組織・チーム
## 2. 対象・内容(What)
- 何を行うのか
- 対象となる製品・サービス・活動の概要
## 3. 時期・タイミング(When)
- 実施の時期やスケジュール
- 重要なマイルストーンや締め切り
## 4. 場所・環境(Where)
- 実施する場所や環境
- 関連するシステム・ツール・プラットフォーム
## 5. 目的・背景(Why)
- なぜ行うのか(目的)
- 解決すべき課題や背景事情
## 6. 方法・手段(How)
- 実施の方法や進め方
- 使用する手法・仕組み・具体的な手順 企画書向け 5W1Hテンプレート
# 企画書タイトル
## 1. 関係者・主体(Who)
- 企画の発案者
- 企画の実施主体(部門・チーム)
- 想定する利用者・顧客層
- 協力先や関係者
## 2. 対象・内容(What)
- 企画の具体的な内容
- 提供する製品・サービスの概要
- 想定する利用シーン
- 成果物やアウトプット
## 3. 時期・タイミング(When)
- 実施開始時期
- 期間・スケジュール
- 重要なイベントや節目
- リリースや発表のタイミング
## 4. 場所・環境(Where)
- 実施場所(物理的/オンライン)
- 活動範囲(地域・市場)
- 利用するプラットフォームや媒体
## 5. 目的・背景(Why)
- 解決したい課題
- 企画の目的・意義
- 市場や顧客ニーズとの関係
- 成功基準(KPI・ゴール)
## 6. 方法・手段(How)
- 実施方法・アプローチ
- 必要なリソース(人材・予算・設備)
- 推進体制
- 進行管理や評価方法設計書向け 5W1Hテンプレート
# 設計書タイトル
## 1. 関係者・主体(Who)
- 開発担当者・設計担当者
- 利用者(エンドユーザー)
- 承認者・責任者
- 外部システムや関係部門
## 2. 対象・内容(What)
- 設計対象(システム/アプリ/機能)
- 機能一覧
- 非機能要件(性能・セキュリティ等)
- 入出力(データや成果物)
## 3. 時期・タイミング(When)
- 開発スケジュール
- テストやレビューの時期
- リリース時期
- 運用開始日
## 4. 場所・環境(Where)
- 開発環境(IDE、言語、フレームワーク)
- テスト環境
- 本番環境
- デプロイ先(クラウド、オンプレミス等)
## 5. 目的・背景(Why)
- 開発の目的
- 解決する課題
- 要件定義との関連
- ユーザーや事業における意義
## 6. 方法・手段(How)
- 設計方針
- 使用技術やアーキテクチャ
- 実装手法
- 運用・保守の方法報告書向け 5W1Hテンプレート
# 報告書タイトル
## 1. 関係者・主体(Who)
- 報告対象者(上司、クライアント、関係部門)
- 報告を行う担当者
- 関わったチームや外部パートナー
## 2. 対象・内容(What)
- 報告の対象となるプロジェクト・業務
- 実施した活動の概要
- 成果物(完成物、納品物、実施内容)
## 3. 時期・タイミング(When)
- 実施期間
- 報告対象の期間(例:○月〜○月)
- マイルストーンや期限の達成状況
## 4. 場所・環境(Where)
- 実施した場所(現場、オンライン環境)
- 使用した環境(システム、ツール、設備)
## 5. 目的・背景(Why)
- 報告する目的(進捗確認、成果共有、問題提起)
- 背景(依頼の経緯、プロジェクトの全体像)
- 成果や進捗の重要性
## 6. 方法・手段(How)
- 実施した方法・進め方
- 使用した手法や技術
- 成果の測定方法や評価手法
- 今後の改善提案や次のステップマニュアル向け 5W1Hテンプレート
# マニュアルタイトル
## 1. 関係者・主体(Who)
- 操作を行う人(ユーザー、管理者)
- 関連する担当者(サポート、開発者)
## 2. 対象・内容(What)
- 操作対象となるシステム・機能
- 手順の対象範囲(どこからどこまでの操作か)
- 出力される成果物や結果
## 3. 時期・タイミング(When)
- 操作を行うタイミング(導入時、日常業務時、トラブル発生時)
- 注意すべき時間的条件(実行前に必要な準備、実行後の確認)
## 4. 場所・環境(Where)
- 操作環境(PC、スマートフォン、クラウドサービス)
- 必要なソフトウェアやツール
- 接続環境(ネットワーク、サーバー)
## 5. 目的・背景(Why)
- 操作の目的(問題解決、業務遂行、設定変更など)
- この手順が必要になる背景
- 操作を行わなかった場合のリスク
## 6. 方法・手段(How)
- 手順(ステップバイステップ形式)
- 注意事項・チェックポイント
- トラブルシューティング方法
- 関連する補足情報やFAQ学習資料向け 5W1Hテンプレート
# 学習資料タイトル
## 1. 関係者・主体(Who)
- 学習対象者(学生、社員、研修受講者)
- 教える立場の人(講師、指導者、メンター)
## 2. 対象・内容(What)
- 学習テーマ(例:プログラミング基礎、データベース設計)
- 学習範囲(取り扱う内容と取り扱わない内容)
- 学習の目標(知識習得/スキル獲得)
## 3. 時期・タイミング(When)
- 学習を行うタイミング(研修期間、学期、プロジェクト前)
- 進行スケジュール(全体計画、各回のテーマ)
- 学習成果の確認時期(テスト、演習、実習)
## 4. 場所・環境(Where)
- 学習場所(教室、オンライン、現場)
- 学習環境(教材、システム、デバイス)
- 必要な事前準備(ソフトインストール、資料配布)
## 5. 目的・背景(Why)
- 学習の目的(知識強化、業務スキル習得、資格取得)
- 背景(教育の必要性、業務における課題)
- 学習後に期待される成果や効果
## 6. 方法・手段(How)
- 教授方法(講義、演習、ディスカッション)
- 学習方法(自主学習、グループワーク、実践)
- 評価方法(試験、レポート、プレゼン)
- 補助教材や参考資料プレゼン資料向け 5W1Hテンプレート
# プレゼンタイトル
## 1. 関係者・主体(Who)
- 発表者(プレゼンター)
- 対象となる聴衆(上司、顧客、一般参加者)
- 関係するステークホルダー
## 2. 対象・内容(What)
- プレゼンのテーマ
- 伝えたいメッセージ
- 提示する具体的内容(データ、事例、製品紹介)
## 3. 時期・タイミング(When)
- 発表の日時
- プレゼンの所要時間
- 話の展開(序盤・中盤・終盤の構成)
## 4. 場所・環境(Where)
- 会場(会議室、ホール、オンライン)
- 使用する機材(プロジェクター、マイク、画面共有ツール)
- プレゼン環境の制約(時間制限、人数規模)
## 5. 目的・背景(Why)
- プレゼンの目的(提案承認、理解促進、行動喚起)
- 背景(課題や現状の共有)
- 聴衆に与えたいインパクトや効果
## 6. 方法・手段(How)
- プレゼンの構成(イントロ、問題提起、提案、結論)
- 使用する資料やビジュアル
- 説得方法(ロジック、感情、データ)
- 質疑応答やディスカッションの進め方