概要
PureRef(ピュアレフ) は、イラスト・3Dモデリング・デザイン制作などで使用するリファレンス画像(参考資料)をまとめて管理するためのツールです。
PureRefでできること(特徴)を大まかにまとめると以下のようになります。
- サイズ制限のないキャンバス上への自由な画像配置/整列
- 参照画像表示ウィンドウの常時最前面(ピン止め)表示
- ドラッグ&ドロップによる簡単なインポート
- シーンを1ファイル(.pur)として保存
- 軽量&クロスプラットフォーム対応(Windows / macOS / Linux)
ライセンス形態(2025年11月時点)
PureRefは2025年11月現在、以下三種類のライセンス形態で提供されています。
| 特徴 | Personal | Small business | Business |
|---|---|---|---|
| 料金 | Pay What You Want 方式 (無料~試用可能) | $49 (買い切り) | 年間 $8 月額 $10 (1ユーザー毎) |
| 商用利用 | × | ○ | ○ |
| 利用人数 | 1名 | 最大3ユーザー | ユーザー数ごとに課金 |
| 備考 | 趣味や境域目的で利用可能 | 1つのスタジオ内で 3ユーザーを超える場合はBusiness | 優先サポート有 |
インストール手順
PureRefのインストール手順について以下にまとめます。
(ここでは、Personalライセンス
① 公式ページの「Get PureRef」ボタン(又は上部の「Download」)から、ダウンロードページへ遷移します。

➁ ダウンロードページで、バージョン・ライセンス・プラットフォームを選択します。
(例では、 Personal ライセンスのWindowsを選択しています。)
③ 支払金額を設定($0 ~ 可能)し、「ダウンロード」ボタンをクリックします。
※PersonalライセンスのPureRefはユーザーが金額を決めるPay What You Want 方式のため、無料から試すこともできます

④ ダウンロードしたインストーラーを起動し、指示に従って進行していきます。

補足:インストール時の設定について
PureRefインストーラーで選択可能なオプションは、基本的にデフォルトで問題ありませんが、一応オプションの意味を以下にまとめておきます。
| オプション | 概要 |
|---|---|
| Desktop Shortcut | スタートメニューのショートカット追加有無 |
| Start Menu Shortcuts | スタートメニューのショートカット追加有無 |
| Explorer Thumbnalls | PureRef 2.0 以降で作成された .pur ファイルを ファイル エクスプローラーでサムネイルとして表示 |
| File Associations | ファイルを開く際のアプリ関連付け (.purファイルは規定で設定済みのため、必要な場合のみ実施) |
| Remove Previous Settings | 以前にインストールされたPureRefの設定を削除(クリーンインストール)するか |
⑤ インストール完了後、PureRefが起動し、以下のようなウィンドウが表示されていればインストールは完了です。

基本操作
PureRefの基本的な操作から、よく使うものを一部を抜粋して以下にまとめます。
※詳細な機能の一覧や解説は公式のHandbookページでまとめられています。
画像の追加と展開
PureRef起動時は、空のシーンが表示されています。ドラッグ&ドロップでシーンへ画像を追加できます。
(Ctrl+V で クリップボードからの貼り付けや、URLからの参照も可能です)

追加した画像は、Ctrl + Shift + O で、参照元(PC内のファイルまたはサイト)を開くことができます。

ファイルの保存/展開
PureRefの作業内容は、.pur 形式で保存されます。(画像の位置・ズーム・回転・メモなどすべて保持)
表示関連操作
以下に、ウィンドウやシーン/キャンバの表示に関する捜査をまとめます。
※キャンバスは、画像を配置後に表示されている、ウィンドウ内側の明るい領域です。
| 操作 | 機能 | 動作イメージ |
|---|---|---|
| マウス中ボタン+ドラッグ | シーン内の移動 | ![]() |
| マウスホイール | シーン内の拡大/縮小 ※ズーム値のリセットはCtrl+0 | ![]() |
| 画像を左ダブルクリック | 画像へのフォーカス ※方向キー左右で、次/前の画像へフォーカスできます。 | ![]() |
| 右クリック+ドラッグ | ウィンドウの移動 | ![]() |
| Ctrl+Shift+A | 最前面表示の有効/無効 | ![]() |
| Ctrl+Y | オーバーレイモードの有効/無効 =各画像を個別ウィンドウ&透過表示。 (基本的に最前面表示と組み合わせて利用) | ![]() |
| S+クリック | クリックした位置のカラーコードを表示 | ![]() |
| (画像を選択後、) Alt + T | バイリニアサンプリングの切り替え (ピクセルアートなど、低解像度の画像を扱う際に使用) | ![]() |
| (画像を選択後、) Alt + G | 画像をグレースケール表示 ※Ctrl+Alt+G でキャンバス全体に適用 | ![]() |
| Ctrl + O | キャンバスの最適化 (キャンバスが必要以上に広がってしまったときに適用) | ![]() |
| Ctrl+Space | キャンバス全体が表示されるようにビューを調整 | ![]() |
画像の操作
PureRefへ取り込んだ画像の各種操作について、以下にまとめます。
(少し数が多いですが、基本的には直感で操作できるので、なんとなくどんなことができるか程度の理解で大丈夫です)
移動/回転/スケール:
画像は左クリックやドラッグで選択でき、表示されるバウンディングボックスで直感的に操作ができます。
ドラッグによる移動のほか、サイズの変更や回転(+Shiftでスナップ)が可能です。

また、移動に関しては Shift + Space + 画像ドラッグ で、他のアイテムの端に合わせる形のスナップが可能です。

画像のロック:
画像を選択し、Alt + L を押すことで画像をロック(操作の影響を受けないようする)状態を切り替えます。
※ロック状態の画像は🔒マークが表示されます。

クロップ:
必要に応じて、画像のクロップ(≒切り抜き)も可能です。関連操作は以下になります。
| 操作 | 機能 | 動作イメージ |
|---|---|---|
| (画像を選択して、) Ctrl + Alt + Shift + C | クロップ用のギズモ(操作ハンドル)表示 | ![]() |
| C+左クリックドラッグ | 範囲選択してクロップ | ![]() |
| V+左クリックドラッグ | 画像をパン(移動)させる形でクロップ | ![]() |
| Shift+V+左ドラッグ | 画像を拡大/縮小してクロップ | ![]() |
| Ctrl+Shift+C | クロップをリセット | ![]() |
反転:
Alt + Shift + H で水平方向。 Alt + Shift + V で垂直方向の反転操作が可能です。

不透明度の変更:
Ctrl + Alt + Shift + 左クリック左右ドラッグ で、画像の不透明度を調整できます。

画像のソート/整列
画像は以下の操作でソートや整列をさせることができます。
| 操作 | 機能 | 動作イメージ |
|---|---|---|
| Up(↑) / Down (↓)キー | 画像を最前面/最背面へ移動 | ![]() |
| Ctrl + P | 選択範囲の画像を重ならないように並び替え | ![]() |
| Ctrl + Alt + N / A / O / D | それぞれ以下に従って画像を並び替えます (→入力ごとに、昇順/降順が切替) ・N (ame) :名前順 ・A (ddition):追加順 ・O (rder) :階層(Ctrl + J参照)順 ・D (irectory):ファイルパス順 | ![]() |
| Ctrl + 方向キー | 入力した方向に押し込む形で整列を行います ・Up(↑):上方向に押す ・Down(↓):下方向に押す ・Right(→):右方向に押す ・Left(←):左方向に押す | ![]() |
| Ctrl+Shift+Alt +Up(↑) / Down(↓) | 選択したオブジェクトを、 Up(↑) :水平方向に並べる Down(↓):垂直方向に並べる | ![]() |
画像のサイズ合わせ
画像の正規化(サイズ合わせ)は、右クリックメニュー>Images>Normalize から実行できます。
ここで、計算に使用する基準値を、Fromfirst(最初に選択した画像)かAverage(平均値)のどちらかを設定しておきます。

メニューに表示されているとおりですが、以下四種類で正規化が可能です。
- Ctrl + Alt + ←:選択したすべての画像の高さを、最初の画像(または平均値)と同一にします。
- Ctrl + Alt + →:選択したすべての画像の幅を、最初の画像(または平均値)と同一にします。
- Ctrl + Alt + ↑:選択したすべての画像サイズを、最初の画像(または平均値)と同一にします。
- Ctrl + Alt + ↓:選択したすべての画像のスケール(拡大率)を、最初の画像(または平均値)と同一にします。
テキスト(注記)の追加
Ctrl+N で、シーン内にテキスト(注記)を追加できます。
→追加したテキストは、画像と同様の操作で表示の編集が可能です。

グループと階層
Ctrl+G で、複数オブジェクトをグループ化することができます。(Ctrl+Shift+G で解除)

Ctrl+J シーン内オブジェクトの階層を確認・編集できます。
階層はフォーカスや整列の順序に影響するほか、親子関係を持たせることで移動時に追従させることができます。

設定画面の開き方
PureRefの設定画面は、右クリックメニュー>Settings(またはCtrl+U)で開くことができます。
→ショートカットキーの確認やカスタムもここから設定できます。

おわりに
今回の記事では、PureRefのインストール手順と基本操作についてまとめました。
機能は一覧で見るとかなり多く見えますが、ショートカットキーは右クリックメニューからも起動や確認ができるため暗記の必要はなく、慣れてくるとかなり直感的に操作ができるようになってきます。

次回以降はPureRefを使用した実際の作業フローや、制作物別の活用機能についてまとめていきます。
よろしければそちらもご参照くださいませ。
























